打ち水大作戦本部NEWS

養成講座「第3回 川のいきものさがし」開催報告

2011年6月6日

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中盤にさしかかった「打ち水大作戦2011 ECOスタディツアー・ツアーコミュニケーター養成講座」も、第3回目が5月29日(日)に開催されました。台風の影響で川遊びはできませんでしたが、雨でも元気いっぱいのせたがや水辺の楽校の中西修一さんを講師に迎え、川が育む豊かな暮らしとその今後を考えました。
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"多摩川の魅力とその課題"

「あなたにとって川辺の思いでとは?」
講座の前に参加者のみんなに投げかけられた質問に、おもしろい答えがたくさん返ってきました。
「ザリガニを捕まえて生で食べていた!」
「高校時代、部活の演劇部で発声練習をしていた!」
「川の水の冷たさは大人になっても新鮮です!」
では、今日も子どもたちにさまざまな思い出を紡いでいる多摩川の楽しさの秘密と課題について中西さんにお話を聞いてみます。
歴史的にみると、生活排水によって水道原水として利用できないほど汚染されたことがある多摩川も、長い年月をかけて水環境は改善され、豊かな生態系と原っぱ遊びのできる川に生まれ変わりました。しかし、粗大ゴミ捨て場になっていること、「タマゾン川(多摩川とアマゾン川をかけた言い方)」と呼ばれるほどの外来種天国であること、などの課題もあります。最近では2007年の台風9号で多摩川が氾濫して周辺住民に被害がでたことも記憶に新しいです。
では、これら課題解決のために、何ができるのでしょうか。

"多摩川の魅力とその課題"

多摩川に限らず、日本の全ての川に言える問題は、
・森林の荒廃、過剰な土地開発による土壌流入
・保水力の減少
・外来種の種類、個体数の増加
の3つに分けられます。
これらの問題は、そのひとつだけを解決しようとするのではなく、3つ全てがお互いに関係し合っていることを理解することが重要です。間伐が進まない森林が不安定な土砂を川に流出させ、川の生きものの産卵場所を奪うだけだけでなく、洪水の被害も大きくなる。安全確保のためダムをつくると、そのダムが河川の生態系を分断させる。川面山も治水も生態系も全て総合的に考えることが解決につながることを、中西さんは力強く語ってくださいました。

"子どもとつくる川の未来"

中西さんが強調するのは、「子どもが川を好きになることが、川、森を守ることにつながる」ということです。
「水が汚いから川では遊ばない」
「川は外来種がいて危ない」
などの言葉を鵜呑みにして川に近づかないようになれば、川のことを考える機会も自然と失われます。実際に川に出向き、自分の目、耳、五感で川がどんな状況なのかを知り、遊び名川自然の仕組みを理解することが、よりより川の未来を作り出すことを学び、講座は終了しました。

 

"中西修一さんからのメッセージ 「多摩川で感じてほしいな」"

 あいにくの雨だったため、室内で大量のスライドを見ていただくだけの講座となってしまいました。晴れていれば、水辺でのガサガサや木陰のある河川敷の原っぱでBBQを楽しんでもらうだけで、川の楽しさや心地よさ、多摩川が抱える様々な課題など、スライド100枚分を遙かに超える体験や発見をしてもらえたはずなのですが…。
 せたがや水辺の楽校のある付近を流れる多摩川は、大勢の人が住む街中を流れていること、緑豊かな広い河川敷をもっていること、東京湾に近い下流域であることなどから、私たちにいろいろなことを教えてくれます。そのため、この地域の子どもたちにとっては、身近な場所でたくさんの自然の仕組み知ることができ、地域の人たちがつながって川の環境を守ることや「いざ」という時の備えの大切さを知ることもできる、絶好の体験学習の場となっています。
 今回は多摩川と日本のいろいろな川の画像を通して、河川環境に係わる様々なお話しをさせて頂きましたが、次回は川の中を歩き、原っぱをかき分けながら多摩川を五感で感じてもらい、いろいろな思いをもって川を考えてほしいな、と思っています。来年は、絶対に晴れますように…。
(せたがや水辺の楽校 中西修一氏 http://semizube.exblog.jp/

"東京みずユースからのメッセージ"

 「水はつながっているけど、生きものはつながりません。」森も川も私たちの暮らしも、水でつながっているのは事実ですが、そこに生きる生きものの命は私たちの無責任なライフスタイルで分断されてしまうという中西さんの言葉に、参加者のみんなも主催者も心を打たれました。
 川の生きものの命を考えるとき、上流の森にまで考えをめぐらせ、間伐材の利用や普段の水の使い方など、自分のライス不タイルを見直してみると、川の生き物たちともっと仲良くなれるかもしれません。
 参加者のみんなが持っている川辺の思いでのように、これからも大人も子どももひとりひとりの川の物語を紡いでいけるような川とともに暮らせることを祈りながら、今日も川辺に遊びにいってみようと思います。
(東京みずユース代表 津谷瑛里 http://www.tokyomizuyouth.org/