打ち水をすると、なぜ涼しくなるんですか? すみませんがわかりやすく教えてください。
お風呂の後、「体を拭かないと湯冷めするから、早くカラダ拭きなさい!」とお母さんに怒られたことはありませんか?打ち水で涼しくなるのは、実はこれと同じ原理なんです。
打ち水をすると、「気化熱」によって地面の熱が大気中に逃げていきます。「気化熱」とは、水が気体になるときに周囲から吸収する熱のことです。水が蒸発するためには熱(※)が必要になります。
その熱は、水が接しているもの(つまり、地面)から、うばっていきます。これが、打ち水によって涼しくなる理由です。
お風呂の後「体を拭かないでいると湯冷めするから、早くカラダ拭きなさい!」とお母さんが怒るのは、体についた水滴が蒸発するとき、体から熱を奪うので、体が冷えて風邪をひく心配をしているからなのです。
また、打ち水によって涼しくなるもう一つの理由は、人間の五感に訴える効果、つまり水に触れることや、浴衣を見たり着たり、風鈴や虫の音を聞いたりすることで感じる感覚なども、重要なファクターだと打ち水大作戦本部では考えています。
事実、打ち水大作戦の参加者のみなさんからは、「打ち水をしたら気持ちがよかった」、「浴衣を着たら涼しく感じた」、「体感温度も下がった」という意見がほとんど。(温度計の気温は下がっていないのにもかかわらず!)
ぜひ、「打ち水」で涼しくなってね。
※気化熱は1gの液体を沸点で全部気化させるのに必要な熱量のこと。気化熱は気化する温度によって異なります。水の場合、1気圧で100℃のときの気化熱は539cal/g、20℃では586cal/g、0℃では596cal/g必要です。
打ち水で涼しくなるのは気化熱によってだと分かりました。でも地面から熱を吸い取ると、なんで気温が下がるんでしょうか?そこがイマイチ分かりませぬ(´Д`;))))教えてください。
ヒートアイランドの原因のひとつは、都市の表面をアスファルト、コンクリート等が取り巻き、熱を蓄えてしまうことです。このため、都市の気温が上がってしまいます。打ち水のねらいは、まさにこのアスファルト、コンクリート等の表面に水をまくことで、直接、表面温度を下げることです。とうぜん、地面が冷えれば、その場所の気温は低くなります。
さらに、気化熱は、水が接しているもの(つまり地面)から、たえず熱をうばって蒸発しようとしますので、地面がたえず濡れている場所の方が、そうでない場所より涼しいということになります。保水性の高い土や芝生の方がコンクリートよりも涼しいのはこの理由からです。
国土交通省がすすめている保水性道路(打ち水ロード)もこの原理を応用していますし、昼間よりも乾燥しにくい朝、夕の方が、打ち水効果が持続することも同じ理由です。ですから街づくり、都市計画にとって、都市河川の復活や、水辺の環境づくりが非常に重要であるのです。(まさに、そうした活動を行なうNPOが集結して、打ち水大作戦が立ち上がったのです)
よって打ち水大作戦は、
真夏の暑い地面に水をかければ、確かに気化熱によって地面の温度は下がるでしょう。でも、それは熱が地面から水蒸気に移動しただけで、全体としての熱量は変化していません。一方で、高温の地面が冷やされ、低温の水が蒸発したのですから、エントロピーは増加しています。地面が熱放射によって宇宙空間へ排出する熱が減る(放射パワーは温度の4乗に比例します)ので、打ち水によって地球に熱がこもることになるでしょう。 しかも、打ち水によって水蒸気量が増加します。水蒸気は二酸化炭素よりずっと温室効果が高いので、地球にさらに熱がこもることになるでしょう。温暖化対策には、「いかに地球の熱を宇宙空間に捨てるか」に尽きます。打ち水で涼しくなるのは局所的なことで、他所に熱を移動させているだけの、冷房と同様に身勝手な行為なのではないでしょうか。
NPOピースフルエナジー大谷サンからの回答です。 ご質問の論理が正しいとすると、雨が振るたびに地球には熱がこもることになります。 しかも年間降雨量は1400-1500mm 有ります。打ち水はせいぜい1mm程度です。 打ち水でも降った雨でも、太陽熱によって地表面(海・河川・湖沼・地面等)で蒸発します。水蒸気は空気より軽い(密度が低い)ので空気に混合しながら上昇します。上空は温度が低いので、露点以下になれば凝縮し、霧や雲になり、上昇・下降を繰り返しながら水滴は大きくなり、雨や雪や雹になって落下します。上空で凝縮するときに蒸発熱と同じ程度の熱を発生し、宇宙に放熱します。この蒸発-凝縮のサイクルは、地球の冷却に役だっているのです。
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アスファルトの上に水をまけば、短時間で蒸発するでしょう。一瞬ひんやりするとは思いますが、効果は短いでしょう。 多くの都市の水は、水源地の人々を犠牲にして造られた「ダム」に蓄えられたものが送られてくるのです。
利便性を追求し、エアコンは使いほうだい、道路はすべてアスファルトで覆われる街に「打ち水」とは、あまりにも身勝手な使い方ではないかと思います。
打ち水を行う間、エアコンを止めることなども試みるべきでしょう。
自分たちがつくった悪い環境を改善するためには、まず我慢することが必要ではないのでしょうか。
「水道水は御法度」が打ち水大作戦で最も重要。
「打ち水大作戦は身勝手では」とのご提言を頂きありがとうございました。私達も全く同じ問題意識、危惧を持っておりました。そのために、「水道水は御法度」を、打ち水大作戦の最も大事な基本原則にして来ております。
再利用水を使うという原則を説明したところ、水不足に苦しんでいるアフリカからの参加者にも大好評で、「これなら我々の街でも使える」との声も出ました。
打ち水大作戦には、さまざまな意味、意義が込められています。その一つが、家庭における水利用のあり方を考え直そうということです。かつては、米のとぎ汁で廊下の拭き掃除をし、更にその水を植木にあげたり、打ち水に使ったりと水を繰り返し再利用していました。それをそのまま今の生活に持ち込むことは難しいでしょうが、水を大事に繰り返し使うことにより、川からの取水量を減らすことができ、川に水を返すことにもつながるはずです。是非、来年は一緒に「打ち水大作戦」に参戦してください。
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NPOピースフルエナジー大谷サンからの回答です。
表:空気温度とそよ風の最大風速の関係
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打ち水大作戦では、雨水や二次利用水を使うことが基本的なルールです。二次利用水とは以下に挙げるような水を想定しています。
お風呂、シャワーの残り水、エアコンの室外機から出る水、雨水、台所のすすぎの残り水、米のとぎ汁、二層式洗濯器のすすぎ水、雑巾がけのすすぎ水、子供用プールの残り水....
上記の他に、製氷機の期限切れの水や氷、井戸水(飲料水でないもの)、浴場施設(銭湯など)の残り水、近隣の公共施設・幼稚園・保育園・学校・スポーツ施設などのプールの水、公園の水(池、噴水など)、川の水、池の水...
上記の他、下水処理(再生)水...
もちろん上記の内、使う水によっては特別な許可を得る必要があると思います。ぜひ、打ち水打大作戦の参加する前に調べておいてください。それから、もし下水処理場が家の近くにあるような場合には、処理場の職員の方に再生水を分けてもらえないか、相談してみてください。こういう交流も打ち水ならではのきっかけですよね!
使用する水によっては、衛生上の問題点などがあるのでは?
また、入浴剤などが入った水を外にまくのは、環境などに影響があるのではないのですか?
「もったいない!もっと大事に使おう!」
再利用のひとつとして「打ち水に使おう!」というのが、私たちのメッセージです。
もちろん打ち水をする本人も不快に感じているような、あきらかに衛生上にきたない、臭い水、他の物質が多量にまざった水(ソース、麺つゆ、石鹸水など)で打ち水するのは、清涼感を大事にする「打ち水大作戦」の主旨から外れますので、ぜひ避けていただきたいのですが、「臭いものには蓋」的な考え方で、「なんでもすばやく排水溝に流す」という現代の風習に「打ち水大作戦」は問題提起をします。
つまり、これまで多くの人が「たった一回で捨ててしまっていた水」について、「もったいない!もっと大事に使おう!」、再利用のひとつとして「打ち水に使おう!」というのが、私たちのメッセージです。
そこで水の衛生上の問題、環境などへの影響ですが、本部が想定している水においては、問題はないだろうと予測しています。つまり、「人体に影響のない範囲の一度使用された水、あるいは現在の自然の循環の中でいただいた水」であるというのが前提ですので。
入浴剤などが入った水をまいた場合、その残留物が道路等に残る可能性はありますが、元々入浴剤は人体に触れることを前提に作られているものですから、人体や環境への影響は少ないと考えられます。
しかし、打ち水するご本人が心配だと感じるような水は、基本的に打ち水に使うことはおやめになられた方がいいと思います。
自然界には、動植物にとって良い働きをする微生物、感染症を引き起こすような悪い微生物、いずれも多数存在しています。思わぬ繁殖をしている場合もありますので、衛生面で不安を感じる水の使用は、避けてください。
米のとぎ汁は、昔から肥料、掃除、打ち水など、いろいろな再利用がなされてきました。
しかし、道路に米のとぎ汁を撒くとなると、どうかなという気がしますが、いかがですか?
その水が「衛生上、環境上にあきらかに問題がある水」になってしまった理由は?
おっしゃられるように、お米のとぎ汁は、昔から肥料や掃除のためによく使われていました。肥料として使われるのは、お米のとぎ汁に様々な栄養素が含まれているからですよね。ですので、もし、お庭や花壇などがある場合には、お米のとぎ汁は、そういう場所に使ったら一石二鳥ですよね。
お米のとぎ汁に限らず、限度を超えた栄養素が河川や湖に流れ込むと顕著な水質の悪化に繋がります。道路に撒いた場合、雨等でいずれ下水道に流れ込み、処理場で処理される場合には、その影響は小さくなります。
ここで皆さんに質問です。
皆さんは「衛生上、環境上にあきらかに問題がある水」をどう処理していますか?そしてその水が「衛生上、環境上にあきらかに問題がある水」になってしまった理由は何だと思いますか?
皆さんもぜひこの「打ち水大作戦」を機会に考えていただければ嬉しいです。
打ち水大作戦の重要なテーマのひとつは「水の二次利用」です。
よって、「水道水は使わないこと」というルールを設定し、すべてのPR広報物にそれを明記しています。そして雨水、風呂の残り水、エアコンの室外機から出る水などを使っていただけるよう呼びかけをしています!そう、水不足だからこそ、このイベントが有意義である、とわたしたちは考えています!お風呂の水、そのまま捨ててませんか?エアコンの室外機から出てくる水に気づいてますか?そして雨水が大切な資源であることも。結果的に気温を下げることも大事ですが、「水の大切さ」、それに気づくプロセスが非常に大事だと考えています。
世界的な水(飲料水)不足が叫ばれていますが、この日本でも水にまつわる深刻な事態が起こっています。この夏は打ち水大作戦を通して日本と世界の水問題についていっしょに考えてみませんか?
水は、環境十全性を持った持続可能な開発、貧困及び飢餓の撲滅の原動力であり、人の健康や福祉にとって不可欠なものである。水問題を優先課題とすることは、世界的に喫緊の必要条件である。行動の第一義的責任は各国にある。(後略)
世界の水問題について詳しくは「日本水フォーラム」のホームページをご覧ください。
エアコンから出る水を洗面器に溜めておいて(30分から1時間で満タン)それを撒いています。
ところが「エアコンから出る水は色んな菌、レジオネラ菌とかがいて、危ないからやめろ」という意見が出てます。大丈夫だと思いますが、実際どうなのでしょうか?
いちがいに、エアコンの水が危険というのは正解ではありません。
室外機の水って、空気中の水蒸気が水滴になるだけですよね。それだけでは汚いことはありませんが、掃除をしてなくて、カビが繁殖してると、それが混入した水になると思います。
なので、いちがいにエアコンの水が危険というのは正解ではありません。キチンと掃除していないエアコンの水は、「レジオネラ菌が繁殖している可能性もある」というのが正解でしょう。
ジャグジーが閉鎖されてるのを見たことはないですか?
ジャグジーで循環されている水の中にレジオネラ菌がいた場合、ジャグジーのぶくぶくで飛沫となり空気中に飛び、人が吸い込むとレジオネラ症になります。
つまり、レジオネラ菌が繁殖している水については、道路にまくとか直接触るというよりも、「水を飛沫(水しぶき)としてバシャバシャする」ことに問題があると思います。
レジオネラ菌が繁殖してる水を飛沫、(水しぶき)としてバシャバシャすると、レジオネラ症になる危険もあるということですね。
レジオネラとは、自然界の土壌や淡水(川や湖)に生息する細菌の名称で、いろいろな種類があり、現在41菌種が認められています。これらを総称してレジオネラ属菌と呼びます。
レジオネラ属菌は菌体の一端に、1本の鞭毛がある運動性を持った細菌です。このレジオネラ属菌は、土埃などと共に冷却塔水やその他の人工環境水を汚染することがあり、種々の条件で菌が体内に侵入すると、場合によっては死亡する可能性があるレジオネラ症を引き起こす原因になります。
レジオネラ症は、臨床症状からレジオネラ肺炎と、インフルエンザのようなポンティアック熱という2つの病型に大別されます。両病型とも人から人への伝染、すなわち流行型ではなく、共通の汚染された感染源から複数の人が感染して発病することがあります。
なので、きちんと清掃された(清潔に保たれている)エアコンから出てきた水で、時間がさほど経っていないものであれば、レジオネラ菌の心配をする必要はないでしょう。
なので、見ず知らずのところのエアコンから出る水を使うというのは、多少リスクが高くなるということになりますね。ご注意を。
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